ゆるまりカフェ第1稿
保護者たちのお部屋①
本日のメニュー 「完璧主義のコート」を脱いで
春ですね、冬に活躍した分厚いコートはさよなら。
この時季の軽やかで暖かい空気を全身で感じましょう♪
入学、進学、進級…。春は子どもたちが新しいステップへと階段を上ります。
保護者のみなさんもそれに応じて新しい役目や向き合い方に直面されるかもしれません。
ぜひ、春風に心も乗せて、少し気楽にゆるっと考えてみませんか。
少し私の話を。
一人娘を授かってからこれまで、数々の失敗をしてきました。ここに書き出したらきりがないのでやめますけど(笑)、決して完璧な母親ではありませんよ。
気を付けていたのは、失敗の後です。
「ごめんね」と素直に謝り、「お母さん次は頑張るから」とか「こうやり直すから」と具体的に言葉にして、実践してきたつもりです。
娘がまだ幼稚園児のとき。
私が何かをやらかして(もう記憶がありませんw)、落ち込んでいたら、娘が「ママ、大丈夫だよ」って励ましてくれたことがありました。
癒やされ、救われたと同時に、子どもは子どもなりにしっかり感じてくれる、考えてくれると実感しました。
そんな経験もあり、かっこ悪いところも無様なところも見せてきました。
考えてみてください。
幼稚園教諭をしていたからか「幼児教育のプロ」などと紹介される私ですけど(この肩書、恥ずかしいのです実は)、実際の子育ては娘が初めて。
お母さんとしてはピカピカの1年生なわけです。
試行錯誤の連続でした。
保護者のみなさんから「○○ができない」とか「△△がうまくいかない」と育児に悩まれる声をよくお聞きします。
お話を伺うと、多くの方は100%、いや120%ぐらい完璧に色々とこなされようとしすぎて、いっぱいいっぱいになっているように感じます。
大人もできない事があったり、失敗したりするのは当たり前。スーパーママ、スーパーパパになろうとしすぎに、「必死にやっているよ」「ママもパパも頑張っているよ」で「合格」としましょう。
「完璧主義のコート」は重すぎませんか。
今すぐ脱いで、明日からほんの少しでも身軽になってくださいね。
子どもたちのお部屋①
本日のメニュー 「本当の気持ちという宝探し」
春が来た~!!
ウキウキの人もいれば、そんな気持ちになれない人もいると思うの。
ここ数年苦しい時期が続いたKちゃんは、大きな世界に飛び込んで今はずーっと「春」をまんきつしています。
本当に楽しそう。今日はそんなKちゃんのお話。
現在大学2年生。
大阪で1人暮らしをしています。
子どもの頃から元気印で学校を休むことがなかったKちゃん。高校の途中で、突然心も体も調子が悪くなり、学校に通えなくなっちゃった。学校も友だちも大好きで本人も原因がわからなかったそう。元々、ミュージカルを見ることが大好きで、ミュージカルクラスに応募してくれたのが2年前のことでした。
「学校に行きたくても行けない」
「大学受験はどうしよう」。
最初の面談でボロボロ泣いた姿はとてもいたいたしかった。
生きる力が限界まで減ったように見えたKちゃんに言ったの。「本当は何がしたいの? ゆっくり考えたらいいんじゃない?」って。
レッスンに通いながら、Kちゃんは心の中で、本当の自分の気持ちを探す旅へ出たの。
「学校は絶対行かないといけない」
「大学受験はこうしなきゃ」という社会や世間が考える正しさは考えずに。
学校もお休み。
たっぷりある時間を使い、自分の中の自分と話し合う「ひとり会議」です。苦しくて夜中に泣きながら電話がかかることが何度かありました。
「ミュージカルの裏方の仕事をしたい」とぼんやり思っていたKちゃんがたどりついた答えは、「舞台に出てみたい」「歌ってみたい」というもの。
気付きからの復活のスピードとパワーといったら!! 世界新記録?ってぐらい(笑)。
自分で決めて高校を退学し、高校卒業の資格がもらえる試験を受けてミュージカルが学べる大学にも合格。そして今を生きている。
すごいよね、私も勇気をもらいました。
でもね、みんなも同じように「旅」をすることができます。やりたいことが見つからないとき、進路に迷うとき、自分で自分に語りかけてあげて。すぐに「本当の気持ち」が見つからなくてもあせらなくて大丈夫。
ゆっくりと会話してあげることが大事。寝る前の5分、お風呂の中で1分だけでも、少しずつ。
寒い冬の次には春が訪れるように、本当の気持ちの芽や花も必ず顔をのぞかせるから。