ゆるまりカフェ第2稿
保護者たちのお部屋②
本日のメニュー 「褒めて育てる」は間違い!?
よく耳にされると思います、このフレーズ。
「子どもは褒めて育てよう」や「褒めて伸びる」。
否定するわけじゃありませんよ。
昭和の子育てや教育現場では、スパルタもありましたし、「強く育て!」みたいな風潮が多かったですね。
子どもは息苦しかったに違いありません。それよりもまず「褒める」というところからスタートする、これは有効なことが多いのは事実なのですが…。
ある子との出会いが「褒める」の意味を考えさせてくれました。
何人かの子で工作をしたときのこと。
ほかの子はさくさく作り上げたけど、その子の手はなかなか進みません。最後の最後、ようやく出来上がったのが塔でした。しげしげと見つめるその子の表情は自信に満ちていました。
私もつい嬉しくなり、その子に駆け寄り「すごいね!どう見せて~」といつもの大きな声で褒めたつもりでした。
周囲の視線が一気にその子に集中します。
その子はどうしたいいか分からなくなり、塔を壊して親御さんに当たりました。「やってしまった~」と反省し、落ち込んだのは言うまでもありません。
何がダメだったのか。その子の性格や気持ちを全く無視して、やみくもに「褒めた」だけだったからです。その子にすれば、塔を自分の力で作り上げることができて自分の世界で満足し、浸れれば良かったのです。なのに、大切な世界を壊され、注目の的にされてしまい混乱したのでしょう。「褒める」にしても、小声で「すごいね、かっこいいね」とそっと伝えれば十分だったのです。褒め方が完全に間違っていました。
以来、私は「褒める」ことよりも、「褒め方」がもっと大事だと考えるようになりました。対象の子がもっとジャンプアップできるような褒め方をするには、何よりも子どもを観察することが欠かせません。
性格に加え、今の気持ち、過去の出来事や様子などを踏まえて対応といけないのでなかなか大変です(汗)。
なので、無理に褒めなくてもいい。「寄り添って見守る」「手をぎゅっとつなぐ」。仕草や表情だけでも十分伝わると思いますよ。あまり難しく考えずに。
いつも忙しいみなさん。子どもにいつもより丁寧に接してあげられたら、自分で自分を褒めてあげることも忘れずに。
子どもたちのお部屋②
本日のメニュー 「嫌い」だらけはもったいない
「自分の好きなところは?」と聞かれると、フリーズする。そういう女の子がいました。
「一個もありません」ってさみしそうに言うの。逆に「自分の嫌いなところは?」と聞けば、どんどん出てくる。「緊張しすぎて人とうまく話せない」「かんぺきに何でもやろうして結局できない」…。何個あったか覚えていないぐらい「嫌い」がいっぱいでした。
私から見れば、すてきだったりうらやましかったりするところなのに…。例えば、「緊張しすぎてうまく話せない」は、「よく考えて発言する」っていうこと。思っていることがつい口から出てしまう、おしゃべりが止まらない私にはないすごい長所(笑)。「かんぺきにやろうとする」のは、「それだけ真面目に取り組んでいる」ってこと。これもすばらしい。
ここからはゲームだと思ってみんなも一緒にやってみよう!
小さい紙やノートにまず自分が嫌だとか直したいと思っているところを書いてみて。何個でもいいよ。その一つ一つを、今みたいに逆の言い方をしたり、置き換えたりすることをやってほしいの。
「声が小さい」が嫌なら「おしとやか、落ち着いて見える」とか「うるさいって怒られない」と言えるかもしれないよね。「友だちとうまく付き合えない」は、「周りにあまりふりまわされない」っていうメリットがあるよね。「○○ができない」は「まだ成長するのびしろだらけだ」って思うことにしよう。
考え方をすこ~し変える、見ているところと違うところに目を向けてみるだけで、悩んでいたところの見え方やとらえ方まで変化するからおもしろいよね。頭の中がぐるぐる混乱しているときも、書き出して整理するのはおすすめ!
「自分を好きになって」「自分を愛して」ってよく言われることだけど、いきなりは難しい。
無理!!ってなるよね。
だから、あえて逆から攻めてみて、嫌いだけど「そうでもないな」とか「良いところもちょっとあるかも」と思えるようになったら、いい調子。自分が自分で思っているよりもいい感じになっているよ、きっと。
一部写真撮影、提供©︎Yumeka Kubota